茶入の仕覆

しばらく前の「茶入のフタ」に引き続き。

今度は茶入の仕覆(しふく)について。

 

お抹茶を入れておく「茶入」は、この「仕覆」に包まれていることがほとんど。

↑仕覆に納められた茶入(瀬戸尻膨茶入。中身見えませんが・・・)。


昔はただ単に「袋」と呼んだそうです。

なんたって、茶入を入れる袋ですからね。


仕覆は、それぞれの茶入にぴったり合うよう作られた特注品。
基本的に既製品はありません。

そして、1茶入=1仕覆という決まりはなく、2つ以上の仕覆を持つ茶入も多数。

↑お着換え用のもう一着とともに。


↑唐物文琳茶入(非公開)。これには4つの仕覆が添っています。

 

中には、もっと多くの仕覆を持つ茶入もあります。


今日はどれを着せようかな・・・。

もはや着せ替え人形ですね。

 

仕覆がドンドン増やされていくのは、箔付けの意味合いがあったようです。

立派な仕覆が沢山ついている茶入=立派で権威ある茶入、みたいな?

 

もちろん、純粋な美意識の追求や劣化で止む無く新調したというのも多数ですが。

 

何はともあれ、仕覆を変えるだけで茶入の雰囲気・茶席の雰囲気もガラリと変わります。

もし茶入を見る機会があれば、ぜひ仕覆にも目を向けてみてください!

2020年05月18日